美しい姿をして花から花へと、優雅に舞っているチョウを見たことの無い人はいないと思います。でも、チョウがその姿で居られる時間は以外に短いのです。翅(はね)を持つ前に、長い幼虫やさなぎの時代があります。そして、成虫とは似ても似つかない容姿ゆえに、忌避されることはあっても注目されることはありません。 ここでは、そんなアゲハの一生を写真で追いかけてみたいと思います。

産卵(たまご)

アゲハの母親はサンショウ(写真)やミカン類などを見つけると、ホバーリングしながらバランスを取り、腹部を前に突き出して卵を産み付ける。

ふ化 <卵から幼虫(1令)へ>

半透明の殻を通して黒い幼虫が透けてくると、やがてふ化が始まる(7~10日?)。
 幼虫は、始めに卵の内側から穴を開け、外に出ると卵の殻を食べ始める。それが最初の食事であり、痕跡を消す作業でもあるようだ。ふ化したばかりの幼虫は1令と呼ばれ、体長は約3mmほど。

幼虫 <2令から終令(5令)>


2令:体形にまだ幼さが残っている。


3令:脱皮したばかり・・・まだ脱いだ皮が残っている。


4令:3令よりも更にがっしりたくましい体つきになった。


終令(5令):幼虫への最後の脱皮。4令時代の皮を食べている。この後、残り僅かの皮を、ベリッと剥がして放り投げた。


幼虫のこの時期は特に食欲旺盛だ。葉を胸脚でしっかり持って規則正しく食べる様子には、思わず見とれてしまう(^^)


もう、全てを食べ尽くした。この後、葉や茎を食べることはない。体長は50mmほど。

さなぎ

口から食べる食事が終わったナミアゲハは、さなぎになるためにしっかりした場所を探して歩き回る(この時、卵の時からずっといた食用の木を初めて離れる。中には、食用の木で蛹になる横着者も稀にいるが・・)。やがて適当な場所が見つかると、しばらく身動きしない。この時の体長は、幼虫の時の半分ほどだ。

前蛹:粘液で尻を固定し、口から出した糸のループで身体を支える。

ここで脱皮をして、糸が外れないように後ろに反り返るとさなぎの完成。

蛹になって暫く経ってから見ると、体の色を周囲のそれと上手く似せている。その保護色の見事さには感動するレベルだ。

う化(羽化)

さあ、いよいよクライマックスです。ここで羽化を見逃しては、ガクゥと体の力が抜けてしまいます。サナギの変化を注意深く観察しましょう。

終盤のサナギです。羽化にはまだ間があるが、サナギは大きく膨れて今にも皮が破けそう。

羽化直前。サナギの皮が透き通ってきて、成虫の折り畳んだ翅の模様が見えるようになります。

羽化の瞬間。ハイ、パチパチと拍手です。サナギの割れ方は大抵こんな感じです。

羽化から数秒。ナミアゲハは高いところに上る。まだ翅は身体よりも短く、ヨレヨレシワシワだ。

後の翅(左右2枚ずつ計4枚ある)が延びてきた。これでもまだ、時間はいくらも経過していないと思う。

後ろの翅は随分大きくなり、前の翅も見えてきた。

翅は十分大きくなり、ほぼ完成。

飛ぶ前に、翅を広げたり閉じたり繰り返す。


各部の名称

    幼虫(終令・5令)      成虫(※)

名称を調べるため、あっちこちのサイトを歩き回りました。私に分ることと言えば、幼虫の前後の区別くらいでしたから・・。それにしても、歩けば凄いサイトがたくさんあるもんですね。驚きです。そして感謝です。

(※) 幼虫の腹部は10節あるのに、成虫の写真では9節しかカウントできません。10-9=1が正しいのは算数のはなし。やっぱ生物ではまずいっしょ?と、このページを纏めた頃にネット内をあちこち探し回ったのでした。そして、「9節と10節は交尾器として接合されるから分かり難い」というような文章を見つけたのですが、いざ引用しようとしても再び見つけることはできませんでした。

ところが、今回やっと出会えたので、以下に転載しておきます。

 腹部は10節よりなり、外見的には特別の構造はないが、末端の9~10節あるいは8~10節は、雄では変形して交尾器をつくり、雌にもそれに相応する変形がおこっている。交尾器の形態は、雌雄ともに分類上の重要な特徴としてきわめて多く使用される。 [コトバンク(朝日新聞系)より]


撮影秘話 - あとがき

ナミアゲハは、卵やさなぎも含めると全部で7回も脱ぎ捨てることを御存知でしょうか。シャッターチャンスでもあるそれらのイベントは、早朝に多いのです。だから、夜は枕元において一緒に寝たものです。静かな夜には、幼虫の餌を食べるシャリシャリという音がやけに大きかったし、餌に柑橘類を与えてあるので食事中の香りは最高でした。そして食事の当然の結果として、丸い糞の落ちる音にも思わず笑みがこぼれたものです。
 ここに載せた写真程度でも、撮るためには5匹ほどのナミアゲハ君に協力を願いました。ありがとう。

 参考サイト : 勝手にリンク集 (もちろん、リンクフリーが明記されてるサイトです)
このページを纏めるに当って、多くのサイトを参考にさせて頂きました。
あおむし園
大阪市とその周辺の蝶
ぷてろんワールド
福井県の蝶

また、次のサイトの美しい動画には感動しました。まさにプロの技です。
YAHOO!きっず図鑑 ← 最近(2015/07)覗いてみたら、動画がありませ~ん。えっ、削除したの? (泣)



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