美しい姿をして花から花へと、優雅に舞っているチョウを見たことの無い人はいないと思います。でも、チョウがその姿で居られる時間は以外に短いのです。翅(はね)を持つ前に、長い幼虫やさなぎの時代があります。そして、成虫とは似ても似つかない容姿ゆえに、忌避されることはあっても注目されることはありません。 ここでは、そんなナミアゲハの一生を写真で追いかけてみたいと思います。
口から食べる食事が終わったナミアゲハは、さなぎになるためにしっかりした場所を探して歩き回る(この時、卵の時からずっといた食用の木を初めて離れる。中には、食用の木で蛹になる横着者も稀にいるが・・)。やがて適当な場所が見つかると、しばらく身動きしない。この時の体長は、幼虫の時の半分ほどだ。 |
前蛹:粘液で尻を固定し、口から出した糸のループで身体を支える。 |
ここで脱皮をして、糸が外れないように後ろに反り返るとさなぎの完成。 |
蛹になって暫く経ってから見ると、体の色を周囲のそれと上手く似せている。その保護色の見事さには感動するレベルだ。 |
さあ、いよいよクライマックスです。ここで羽化を見逃しては、ガクゥと体の力が抜けてしまいます。サナギの変化を注意深く観察しましょう。
幼虫(終令・5令) 成虫(※)
名称を調べるため、あっちこちのサイトを歩き回りました。私に分ることと言えば、幼虫の前後の区別くらいでしたから・・。それにしても、歩けば凄いサイトがたくさんあるもんですね。驚きです。そして感謝です。
(※) 幼虫の腹部は10節あるのに、成虫の写真では9節しかカウントできません。10-9=1が正しいのは算数のはなし。やっぱ生物ではまずいっしょ?と、このページを纏めた頃にネット内をあちこち探し回ったのでした。そして、「9節と10節は交尾器として接合されるから分かり難い」というような文章を見つけたのですが、いざ引用しようとしても再び見つけることはできませんでした。
ところが、今回やっと出会えたので、以下に転載しておきます。
腹部は10節よりなり、外見的には特別の構造はないが、末端の9~10節あるいは8~10節は、雄では変形して交尾器をつくり、雌にもそれに相応する変形がおこっている。交尾器の形態は、雌雄ともに分類上の重要な特徴としてきわめて多く使用される。 [コトバンク(朝日新聞系)より]
ナミアゲハは、卵やさなぎも含めると全部で7回も脱ぎ捨てることを御存知でしょうか。シャッターチャンスでもあるそれらのイベントは、早朝に多いのです。だから、夜は枕元において一緒に寝たものです。静かな夜には、幼虫の餌を食べるシャリシャリという音がやけに大きかったし、餌に柑橘類を与えてあるので食事中の香りは最高でした。そして食事の当然の結果として、丸い糞の落ちる音にも思わず笑みがこぼれたものです。
ここに載せた写真程度でも、撮るためには5匹ほどのナミアゲハ君に協力を願いました。ありがとう。
参考サイト : 勝手にリンク集 (もちろん、リンクフリーが明記されてるサイトです)
このページを纏めるに当って、多くのサイトを参考にさせて頂きました。
あおむし園
大阪市とその周辺の蝶
ぷてろんワールド
福井県の蝶 (移転先が見つかりません)
NEW> アゲハが幼虫から蝶になるまでの感動的なドラマ(羽化~そして次の世代へ) ← 42分余りの youtube 動画ですが、興味深いさまざまな工夫や実験、観察が続き、何度見返してもつい長時間見てしまいます。
YAHOO!きっず図鑑 ← 最近(2015/07)覗いてみたら、動画がありませ~ん。えっ、削除したの? (泣)