■ プロローグ(小説風に)
空気の流れなどまるで感じない静寂と暗闇に包まれた中で、エンジンの始動音がやたら大きかった。2年間待ち続けたこの日のために、たった20数分間のために、その何百倍もの時間を費やして来たのだ。
見慣れた光景をクルマのライトが照らし出す。1分も経たないうちに、一緒に暮らした仲間たちの墓の前を通り過ぎる。
「Boss,Terra、行って来るよ。君等との約束を果たしに行って来るよ。どうか、守っておくれ」と心で呟く。
■ 作戦(前半抑えて後半勝負)
まぁ、早い話が・・・、私ごときのレベルで、作戦も何もあったもんじゃないのだが・・。せめて歩いてるように見えなければそれで良し・・・としましょう(^^;)
前回のハイスピードで入って押し切ろうという走りが悪夢に終わった反省から、5キロと言えどもペース配分は必要と今更ながら学んだわけですよ(^^ゞ
では1キロごとのラップタイムを。
スタートロス: 0' 06"
0-1 km : 4' 44"
1-3 km : 9' 41" (2キロ地点は見逃し・・平均すれば 4' 50" )
3-4 km : 4' 29"
4-5 km : 4' 31"
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Total : 23' 31"
と、目論見通りに運びました。何よりも嬉しかったのは、折り返し後の2キロが4分30秒で刻めたことですねぇ。以前から持ち続けてる4分30秒で走り切りたいとの目標。例え最後の2キロだけでも・・ああ、まだこのスピードが出るんだとニンマリ。
2キロ付近 3キロ手前 残り100メートル
■ 5時50分出発
会場へのアクセスは、最寄駅から臨時のバスなども運行されるようだが、東京方面からの一部の参加者以外は方向違いで利用できない。そこで、専ら自家用車に頼ることになるのだが、希望の場所にクルマを止めるためには、暗闇の中を出発しなければならなかった。
6時30分には、予定通りの場所の白線の中に黄色ナンバーの古びた愛車は止まっていた。受け付け開始までは1時間。エアーベッドに寝そべりながら、ミニパソコンから流れる好きな曲でくつろいだ。
■ 腰痛
1週間程前から持病の腰痛が気になっていた。クルマに横たわっていても、気になって仕方がない。家を出る前に飲んだ風邪薬と痛み止め(R)の効果がイマイチのようだ。そこで、いけないことと知りつつも、痛み止め(R)を更に1錠追加する。
受付を済ませ、ウォームアップに1キロほどジョグするとまた腰痛を覚えクルマに横たわる。そして、最後の神頼みは別種の痛み止め(B)座薬。これで改善しなかったならこのまま走らないで返ろうと覚悟を決めた頃から徐々に寛解し、出走時刻が迫る頃には気にならない程度に。
だから、走り終えて着替えると、一目散に家路につく。駐車場は空いてるスペースがまだほとんど見当たらなかった。走りは遅いが、帰りは早い(^^ゞ
■ エピローグ(終わってみれば)
なんやかやと小トラブルを抱えながらも、2年振りの完走でした。たった5キロを走るのに、2年間も必要な奴が居るんですよねぇ~(^^;)
今回の参加については本当に迷いました。故障がちょっと良くなれば出よう~かな? 悪くなればやっぱり止めよう~。そんな繰り返しの数か月だったような気がします。
「もう年齢的に健康ジョギングに徹して、自宅の周囲をゆっくり走るだけでも良いじゃないか」と囁く自分と、「いやいや、周囲の人たちと競争して刺激を受けるのも良いぞ」と葛藤する二人の自分。
そんな揺れる心の狭間で覚えた疲れを、手にした完走証が吹き飛ばしてくれました。